「下水文化研究」13号・講演録

「下水文化研究」13号掲載の講演録の紹介【2000年度(平成12年度)】

 20世紀最後、そして、法人化後の最初の年度に行われた講演録を紹介します。

法人化後最初の総会基調講演には、環境省の初代地球環境部長であり、当時NPO法人「環境文明21」の代表をされていた加藤三郎氏をお迎えしました。タイムリーなことに、講演の前日には、「循環型社会形成基本法」が成立し、廃棄から循環へ社会が大きく転換するときに「地球環境問題と循環社会の創造」と題する講演が行われました。内容は、(1)悪化の一途をたどる地球環境、(2)21世紀に地球規模での環境破壊をもたらした原因は何であろうか、(3)何が環境破壊の抑止力となるか、(4)ソルジェニーツィンの知恵、(5)動き出した循環型社会づくり、というものです。(4)では、「地球環境問題の解決、南北格差の解消には、我々が失った“自制”という名の黄金のカギを取り戻さなければならない」ということばを引用されました。この講演で記憶しているのは、ヨーロッパにおける政府のNPO支援についてですが、支援内容ばかりでなく、支援の背景に異論もまた価値をもつという、民主主義国家にとって不可欠な認識が強調されたことです。日本学術会議会員の任命拒否に代表されることですが、我が国では、真逆の流れとなっていることは由々しきことです。

地球環境問題と循環社会の創造 加藤 三郎 総会講演 649KB

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